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映画レビュー【ブラッド・ダイヤモンド】★5 実話に基づいたアフリカ紛争映画の評価

アクション映画かつ社会問題に切り込んでいる。映画とはかくあるべし。

これまで見た映画の中で、ベスト3に入れてよいと思った。社会問題に切り込んだ映画は、色々あるが、アクション映画のギミックをふんだんに取り込みながら、ダイアモンドの密輸の壮絶な裏側にせまる。

※2017年8月時点、Prime videoで見れます。

私の過去のBest映画とくらべて異質な良作

これまで、個人的に素晴らしいと思っていた映画は、例えば、SFものの「ガタカ」だったり、ヒューマン系の「ショーシャンクの空に」だったり、サスペンスでいえば、「ユージュアル・サスペクツ」だったりしたが、これは全く経路の違う映画でいきなりトップ3に躍り出た。

社会問題系で印象に残っているのは、ブラッド・ダイヤモンドと同じアフリカが舞台の「ホテル・ルワンダ」や、ブラジルが舞台の「シティ・オブ・ゴッド」。マイケル・ムーア系も印象に残っている。歴史系もいれるなら「シンドラーのリスト」も印象的だ。でも、「ブラッド・ダイヤモンド」の衝撃には全く及ばない。これらの社会派映画も、社会問題を教えてくれるが、この「ブラッド・ダイヤモンド」のような引き込むアクション&ヒューマンのギミックはないし、ダイアモンドという身近なテーマもない。

同じテーマで映画を作っても、こんなに引き込む力がある映像を作るには、よっぽどの(アクション好きな)映画監督が、よっぽどこの問題に入れ込んで作らなければ実現し得ない。

この映画を見たところで、別に、涙が流れるわけでもない、笑顔が溢れるわけでもない、むしろ、悲しい気持ちになるような映画だ。世の中の矛盾をぐさっと突き刺してくる。

ダイアモンドと一体どうつきあっていけばいいのか

私個人は、妻に指輪を買った時に、はじめてダイアモンドを購入した。妻は大喜びだったし、また、数年後の10周年記念には、大きなカラットのダイヤが欲しいと予約されている。

別に全てのダイアモンドがこの映画にかかれているような闇ルートを通っているわけではないので、全てのダイアモンドが悪いわけではないが、トレーサビリティのきちんとした商品を買いたいし、そのトレーサビリティがどこまで信頼のおけるものなのかも知りたいと強く思った。

ちなみに映画の中では、約15%のダイアモンドが密輸ルートだと言われていた。15%って結構すごい割合だし、上野にあるような格安ダイアモンド店なんかは、もしかしたら、こういうルートを通っているのかもしれない。いや、ティファニーがちゃんとインドの◯◯を経由してるよって言ってても、密輸品は混じってくるから100%信頼できる産地ではない可能性がある。

自分が指にしているダイアモンドは実は、Blood diamondかもしれないと考えたら、相当嫌になる。でも、この映画を見たからやめよ!っていって妻を説得できるだろうか。なんか余計な板挟みを抱えちゃったような気分。はぁ、憂鬱。けど、こんなに私を憂鬱にさせるパワーがこの映画にはある。

特に日本のような先進国に住む人間にとって、または、ダイアモンドは永遠の輝きと思っている人にとって、非常に考えさせられる物語だ。

最近の紛争ダイアモンド(Blood diamond)事情

wikipediaには、「紛争ダイアモンド」という項目がある。 この映画で取り上げられた「シエラレオネ」という国も当然紹介されているが、アンゴラリベリアコートジボワールコンゴなど、複数の国で行われていることが紹介されている。

紛争ダイヤモンド - Wikipedia

  • ちなみに、アメリカやカナダ、欧州では厳しい取り締まりがあったと紹介されているが、日本のことは書かれていない。

  • 紛争ダイアモンドに対して”紛争フリーダイアモンド”があるらしい。現在でも国際ダイアモンド市場で取引されているそう。ダイアモンドを買うときはこれを探したい。

その他

この映画の本筋とは違うが、天然資源というのは、常に争いを抱えている可能性がある。石油利権のために一体何人が血を流したか、という質問を考えるのはどうだろう?石油こそ、まさにBlood oil。何万、何十万、100万人を超える人の血が石油で流れているはずだ。私たちはそんな天然資源を何食わぬ顔で大量消費している。きっと、Goldだって、リチウムとかだって、現場では想像を絶する争いがあるはず。カネのなるところに血が流れる。そして、往々にして、消費するのは、そこから遠くはなれた人間であって、血が流れた事実さえ知らない。一連の資源チェーンの最下流にいる日本人だからこそ、こういう想像力を働かせたい。