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住民投票の非合理性と解決策のアイデア

Brexitに関して、元オアシスのノエル・ギャラガーの発言が色んな意味で面白かったです。

 

抜粋すると次のような発言です

なんで国民なんかに決めさせようとするんだよ? 国民なんてのは99パーセントが豚のうんこくらい頭悪いんだぜ

毎晩テレビに政治家が出演してはこれがいかにイギリスの運命を永遠に変えてしまうかもしれないファッキン重要な決断だってあーだこーだいってるんだけど、俺としてはだったらおまえら政治家がファッキン国の運営と決断をするっていう金をもらってるだけの仕事をなんでしっかりやれないんだよっていいたいよ

 

ファッキン最高です。

 

ノエル・ギャラガー、EU離脱の国民投票について「投票するかは当日の朝決める」と語る (2016/06/23)| 洋楽 ニュース | 

 

 そしたら、こんなニュースが後日流れてきました。

 

Googleは24日、英国で検索回数が多かった関連ワードを明かした

・最多は「EU離脱は何を意味する?」で、2番目は「EUって何?」だった

・多くの英国民が意味を理解せず、ネット検索に答えを求めていた可能性がある

イギリス国民、国民投票の意味理解せず? 「EUって何?」との検索も - ライブドアニュース

 

ノエル兄さんの言うとおり、多くの国民がよくわかってないままに投票したということなんでしょう。

 

他にも色んなニュースで、大卒レベルの知識階級はEU残留に投票し、低所得層が離脱に投票したと言われてます。他にも若者は残留に、年寄りは離脱に、などの二項対立もあったようです。

 

思い出されるのは、2015年に大阪都構想を問うた大阪市住民投票です。こちらも、同じような構図だったと言われています。裕福な区や若者は都構想賛成、貧しい区や老人は反対。

 

都構想の決着が着いた時、橋下さんが「民主主義は素晴らしい」と言ったような発言をしましたが、あの言葉に私はすごく違和感を感じ、今回のbrexitでも同様に違和感を感じました。

 

非合理性と民主主義のバグ

 

一般的に多くの人は、合理的な判断が出来ません。人が目先の利益を優先して、長期的な利益を取れないというのは、多くの心理学の実験で明らかにされています。

 

その非合理性をつく選挙活動こそ、民主主義のバグをハッキングしている行為なんじゃないか、と思うのです。大衆先導、ポピュリズムなど、色んな言葉がありますが。

 

私が思うに、住民投票で次のような要素を含む判断を問うのは難しいのではないでしょうか?

  • 短期的でなく、長期的な判断
  • 単純でなく、複雑な判断
  • 影響が限定的でなく、広範囲に及ぶ

これらが全てが必要条件ではないと思いますが、民主主義ならではのバイアスがかかった投票結果になりえると思います。合理性から乖離させるバグです。

 

もちろん、「住民投票で合理的な判断を求めるのは難しい」という命題が成り立つからといって、「間接民主主義(政治家が判断する)なら全て合理的な判断が出来る」というのはこれまた真ではありません。

政治家は少なからずの利権や偏った期待を抱えて当選するケースが多いからです。

 

直接民主制にせよ、間接民主制にせよ、民主主義といのは常にバイアスを抱えており、合理的な判断を続けることは難しいと思うわけです。

 

 

このバグを解消するには、有権者を選定するハイブリッド型民主主義

あくまで思いつきのアイデアですが、一定のバグの因子を排除した集団にのみ投票券を与えることで、このバグを緩和できるんじゃないでしょうか。

事前に有権者に心理テストなどを行い、「合理的な判断ができる」と判断された人だけが参加できるような住民投票のシステムにならないもんでしょうか、と思います。

 

 

運用イメージですが、

・「合理的でない判断をする」という因子を事前の心理テストなどで排除する。

 (当然、テストは政治的主張を一切関係がないテストで、就職活動の時の心理テストのようなもの。)

・一定の基準をクリアした人の中から、性別/年齢/地域/職業などがある程度均等になるようにランダムサンプリング。全体の30%くらいになるように有権者数を調整する。

・テストは数年に一度、参加任意で実施してリストを更新する。

 

別にIQが低くても、社会的地位が低くても、投票に参加する意欲があって、合理的判断ができる思考ができる人ならば誰でも参加できるようにしたらいいと思うのです。逆に言うと、投票券というのは、そのくらいの基礎的な思考力がある人じゃないともらう権利がない、ということです。

 

そうすれば、「自分で考えずにニュースの意見に全て流される」ような人や、「偏ったニュースに違和感を抱かず素直に信じる人」とか「意欲がなくて情報収集しない人/投票に行かない人」をある程度排除できるんじゃないでしょうか。

 

さらに、年齢や地域などで格差が生まれにくくなりそうです。

 

そうすれば、「文句があるなら立候補すればいい」というのでなく、「文句があるなら、投票券を勝ち取って投票すればいい」となるくらいに一票に重みを含ませて欲しいなぁと思った次第です。

 

まぁ、そんな客観的な心理テストを作れるかどうかもわからないし、歴史的に「民主主義は民衆が勝ち取ったものだ」からそれを取り上げるような行為は反感しか生まないのかもしれません。

 

 

以上、民主主義のバグを取り除くシステムの思考実験でした。